市民はねじを巻く

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趣味としての小説模写 | 題材『ねじまき鳥クロニクル』

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タイトルの通り、村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』の小説模写をはじめた。
 
この本は、1冊1章の構成で全部で3章あり、
 
わたしは、この本を全章を通して通算5回以上は読み返していると思う。
 
 
何度も何度も読み返しているうちに、もういっそ全て書いてみたいな、構成を解体してみたいな、と思ったことが小説模写のきっかけだった。イラストレイターが好きな作品を模写するように、自分にとって好きな小説や文章をトレースしてみたかった。
 
もともと、Web、小説、雑誌etcから気に入った文章をtwitterやevernoteに書き留めていたので、その延長でお気に入りの作品そのものを書いてみた。『ねじまき鳥クロニクル』の模写は現在進行中。タイピングに適したキーボードが欲しい。
 
 
この記事では、小説模写で得た効用や感じたことについてを紹介していきたいと思う。

 小説模写は、文章の構成をリバースエンジニアリングするみたいに、なるべく書き手の立場になってタイプしているつもりだ。

 
 
とはいっても、わたしは小説家ではないので、細かな技法については汲み取れない部分が殆どだ。だから「こういう表現をよく使っているな」とか「どうしたら、こんなに具体的な情景描写ができるんだろうか?」など、あくまで自己流で想像力を膨らませている。
 
余談だが、わたしがSEとしてした初めての仕事は、既存システムから基本設計書を作るリバースエンジニアリングだった。今回は、設計書におこしたりはしないので、お気軽な気持ちでトライしている。
 
 
小説模写はライティング技術としてそれなりに学べることはありそうな気がする。
 
 
でも、どうやらこの作業は、わたしにとっては技法を盗むというよりも、ある種の瞑想に近いかもしれない。
 
もっというと、ゲームで素材集めをしているときのように、一心不乱なこの作業が、とても落ち着く。また、これをやっていると、色々なことが着想してきて、とても面白い。単純なデータ入力とやっていることは同じだが、作業中に退屈を感じることは殆どないし、学ぶものも多い。
 
 
反面、この作業は時間がとてもかかるし、何より疲れる。
 
とくに後者については、予想以上だった。
 
作業中もそうだし、何より作業から2、3日間はエネルギー不足を引きずる。まるで、重い処理をバックグランドで動作させた後のサーバみたいに。
 
なぜこんなにも疲れるのだろうか?
 
たくさんのイメージが湧き、それで疲れているのか?
 
それとも単純に、大量の文字をタイプする作業に疲れているだけなのか?(事実、自分で書く文章の十倍以上の分量だし、一節を書くにも半日以上かかる)判断が難しい。
 
最初はエッセイと短編小説から始めればよかったなと、ちょっと後悔している。
 
 
最後に、ネットで調べた小説模写の効用について紹介しようと思う。
 
 
どうやらイティング技術向上のための効用があるようだ。文体やある特定の描写の勉強のためになるのだろう。
 
 
小説の模写は、趣味の1つになりそう。これが終わったら、太宰治の『女生徒』にもトライしたい。先はまだまだ長そうだなー。
  
ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

 

 

ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)

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ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)

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女生徒

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